空間から平面までデザインのワンストップサービスを提供する | 株式会社スペック総合デザイン 小林亮代表
空間から平面までトータルでデザイン
−−御社の事業内容を教えてください。
空間から平面までトータルでデザインしています。比率的には空間の方が大きいですが、ロゴやチラシ、名刺といった紙媒体や看板のデザインもしています。
店舗内装や住宅の場合だと、施主さんからどういったお店や住空間にしたいのかをヒアリングするところから始めます。内装だけじゃなくて、看板やロゴ、ショップカード、メニューをつくることも出来ますので、ワンストップでできることを売りにしています。
看板の場合は、普通はお客さんがデータを渡して、それを基に制作、取り付けという流れなんですけど、弊社はお客さんとのヒアリングからデザインを決めて、色味といったところをアドバイスして、制作、施工といった形でワンストップサービスをしています。
自社に職人がいるので、私の方でデザインや設計をし、自社で施工するという流れで対応しています。
−−お客様へのヒアリングはどのようにされていますか?
最初から具体的なイメージを持っているお客さんはかなり少ないので、例えば色だったり、イメージする画像だったり、あとは音楽に例えるとどういう音楽のタイプがいいかを聞いて、そこから「こんなイメージでどうですか?」と提案をしています。
潜在ニーズを引き出すヒアリング
−−施工する建物によってお客様のこだわり方は変わってきますか?
こだわりがない人は本当にないんです。「ベージュ系なら何でもいいです」と仰るお客さんもいらっしゃいますし。
その一方、一部屋にクロスを何種類も使って「ここはこれで、天井はこれで」とこだわりを持つお客様もいらっしゃいますね。その人の性格によって、全然違いますね。
−−こだわりがないお客様にはどんなアプローチをされますか?
こだわりがないと言っても、イメージしているものはあると思うんですよね。「白っぽくしたいんだよね」とか「ちょっと一面だけ、クロスを変えたいんだよね」とか。それくらいであれば、こちらから提案をするようにしています。
店舗であれば、お店のイメージに近いようなものを提案していますね。住宅であれば、家族構成や年齢といったところをお聞きして、こちらでイメージしたものをお伝えしています。
うちの会社は、普通の施工会社と差別化を図るために、クロスの貼替えや外壁塗装といった工事内容でも、必ずデザイン的な要素を取り入れてご提案するようにしています。
−−小林様のご経歴を教えてください。
私は美術大学でグラフィックデザインの勉強をしていたんですよ。大学を卒業してからは、広告代理店のデザイナーとして働いていました。
実際に仕事をしてみて、作ったものが新聞折込で入ってきて「自分でやったやつだ!」みたいな嬉しさはあったんですけど、もともと空間デザインがやりたかったということもあり、やっぱり何か違うと思い、会社を辞めたんですね。
それから、設計の専門学校に入りました。その学校は設計会社の社長がやっている学校で、実務に沿った授業内容を売りにしているところだったんです。就職してすぐに即戦力として使える人間を育てることを理念としていたんですよ。
専門学校でで2年間勉強をした後に、店舗専門の設計施工会社に入りました。その会社は担当のお客さんに対してワンストップサービスを提供している会社で、打ち合わせ、図面、現場の段取り、現場管理、アフターフォローといった一連の流れを学びました。
会社で学んだ経験を活かして、自社でも平面と空間デザインをワンストップで提供しています。
−−独立のきっかけを教えてください。
もともと、独立する気はなかったんですが、働いていた会社がものすごい会社で、休みもなくて、残業も月に200時間オーバーという感じでした。
根性で仕事を続けていたんですが、体が悲鳴を上げましてやめました。
私が辞めた後、すぐに潰れて今はありませんが。
それで、当時の会社を辞めて次の会社を探そうと思ったら、タイミング悪くリーマンショックがあって。
で、転職しようにもどこもなくて。でも、ここまできたし、この仕事をずっと続けていきたいと考えていました。
迷っている中で、昔からお世話になっている人に「景気がこれより下がることはないだろうから、独立するのもありなんじゃない?」という話をされて、その帰りにそのまま税務署に行って事業登録をしたのがきっかけです。
−−社名の由来を教えてください。
本当に簡単で、「スペース to グラフィック」の頭と後ろを取って「スペック」なんですよ。それだけだと何をしている会社か分からないので、トータルでやっているということを伝えるために「総合デザイン」というのを付けたんです。
図面製作も施工も経験があるからこその視点
−−地域密着型にされたきっかけはありますか?
独立したのが思いつきだったので、コネもお客さんもゼロの状態でした。
どうしようかなと考えまして、まずは顔と名前を知ってもらうことだなと思い、地元の友達のお父さんが入っていた個人事業主の団体にはいりました。
まずはその団体の活動に積極的に出るようにしました。そこで、色々な方たちと知り合い、交流を深めていくことによって、『自分』というものを知っていただき、今では法人化することもできましたので、仕事が増えてきたからといって、地元を捨てることはしたくないと思っています。
−−図面製作も施工もされているからこその視点はありますか?
施工だけのお仕事もいただくことがあるのですが、図面の設計は正しくても、実際には構造上施工できないというケースもあります。施工出来ないと分かったときは今までの経験を活かし、逆に提案することもあります。
イメージしたものをどう現実化するかは難しいところで、パソコン上では綺麗にできても、後ろにこれが見えてくるよとか、切り口が見えちゃうよとかっていうのは結構あります。
弊社では図面制作も現場も経験があるので、作業時の食い違いのトラブルは少ないと思います。
−−今後、どういった会社とお取引していきたいですか?
報告、連絡、相談ができるところとお取引したいです。事後報告じゃないことが大前提ですよね。「まぁいいだろう」と思ってやっちゃったことが、大きいトラブルになる可能性もあるので。
あとは、プラスアルファでどれだけ気遣いができるかだと思うんですよね。言われたことだけをやるわけじゃなくて、相手が求めていることに何かを足して返せるように社員にも教育するようにしています。
さいごに
幅広い対象のデザインをワンストップサービスで提供している、と語ってくださった株式会社スペック総合デザインの小林亮代表。元請会社や協力会社を募集されているそうです。株式会社スペック総合デザインにご興味がございましたら、下記ページからご連絡をよろしくお願いいたします。