防水工事業とは
防水工事ってどんなもの?
「防水工事」と言われると、「防水をするための工事」とはなんとなくわかりますが、あまり身近な感じはしませんよね?しかし、私たちの身近にはたくさんの防水工事が施されています。例えばマンションなどの屋上やバルコニー、外壁は雨にさらされますよね?雨にさらされる箇所の防水には防水工事が実施されています。また一般家庭だとベランダなどにも防水工事が施されています。主に建築物への防水を行う工事ととらえてもらえれば間違いないと思います。
防水工事にはいくつか種類があり、それぞれ使用する素材によりFRP(繊維強化プラスチック)防水、ウレタン樹脂塗料を用いたウレタン防水、防水シートを下地に貼り付けるシート防水、アスファルトに合成繊維不職布を含ませて防水シートと貼り重ねるアスファルト防水などがあります。
防水工事業ってどんなもの?
防水工事業の工事に従事する職人は防水工、防水屋と業界で呼ばれていて、建築物の防水加工を担います。国土交通省は防水工事業についての例示として、アスファルト防水工事、モルタル防水工事、シーリング工事、塗膜防水工事、シート防水工事、注入防水工事などを挙げています。建物の外側に関わるため、塗装工事業や左官工事業とは密接に関連しており、防水工事業と塗装工事業、左官工事業それぞれ建設業許可を持っている事業者も少なくありません。
また、建築系の防水工事を行う業種ですが防水モルタルなどの防水工事は左官工事業、防水工事業、どちらの業種の許可でも施工対応可能です。またトンネルなどの土木工事に関する防水工事は、とび・土工工事業の管掌になります。
防水工事業を取得するためには?
防水工事業は建設業法が定める29の建設業許可業種のうちの1つです。防水工事業の許可業者数は2017年3月時点では29,941社と、2012年から比較するとほぼ倍増しています。それだけ需要の大きい業種、または他の業種で許可をとっていた事業者からみても必要性の高い業種であると言えるでしょう。防水工事業の建設業許可については、経営業務の管理責任者など共通の要件に加え、防水工事業の専任技術者が必要になります。防水工事業の専任技術者となるためには、資格または実務経験が必要になります。
対象となる資格については、建設業法が定める国家資格の1級または2級建築施工管理技士(仕上げ)、職業能力開発促進法が定める技能検定の「防水施工」のいずれかが必要となります。このうち特定建設業の専任技術者となれるのは、1級建築施工管理技士のみです。
防水工事業に関する資格や協会はあるの?
一般社団法人全国防水工事業協会では、防水施工管理技術者資格の認定をしています。この資格は前述の建築施工管理技士などの資格を持っていることに加え、同協会が実施する認定試験に合格しているものに付与されています。建築施工管理技士などが建築施工に精通していることは間違いないですが、防水工事のプロフェッショナルかというと必ずしも当てはまらないかもしれません。その点をしっかりと防水工事の団体が担保してくれているというのは安心ですね。
また一般社団法人防水工事推進協会では、防水工事業者と顧客との間に立って実績のある防水工事業者を紹介する中立機関として活動を行なっています。業者と顧客の間に立つ協会というのは比較的珍しいですね。防水工事については、建物の老朽化などで、また頼ることもある工事でもあるので、スキルアップや取引の透明化が進むのは、業界として明るい話題ですね。
(参考)
国土交通省 http://www.mlit.go.jp/
一般社団法人全国防水工事業協会 http://www.jrca.or.jp/