電気通信工事業とは

そもそも電気通信工事って?

電気通信工事とは何を指しているのでしょうか?電気工事と決定的に異なる点として、「通信」という言葉が入っているのがポイントになります。国土交通省の告示では電気通信工事を「有線電気通信設備、無線電気通信設備、ネットワーク設備、情報設備、放送機会設備等の電気通信設備を設置する工事」と定義しています。
つまりTVや携帯電話、ブロードバンドなどの通信回線に関わる工事ですね。具体的には一般家庭でのインターネットのLANテーブル工事やオフィスのOAフロア下の配線なども電気通信工事の一つとなります。大きいものでは、NTTやSoftBankなどのアンテナ設置工事なども該当します。インフラを支えるための重要な工事ですね。

電気通信工事業の建設業許可について

電気通信工事業は建設業法が定める、建設業許可29業種の1つです。建設業許可の共通要件である経営業務の管理責任者に加え、電気通信工事業の専任技術者が必要となります。 電気通信工事業の専任技術者となるためには、資格または実務経験が必要となります。

ここでは資格に絞ってご説明いたします。必要な資格としては、技術士試験の電気電子・総合技術管理(電気電子)、または電気通信主任技術者の資格が必要となります。ただし電気通信主任技術者については、資格者証交付後に電気通信工事についての5年以上の実務経験が必要となります。対象の技術者試験の合格者はさらに特定建設業における専任技術者となることができます。
電気通信主任技術者の場合は、前述の実務経験のほか、2年以上の指導監督実務経験が必要となります。電気通信工事業の建設業許可取得業者数は、規模の大きい工事業種ではあるため、14,993社と全体の中でも多くはありませんが、年々増加傾向にあるため、費用に需要の大きい業種と言えるでしょう。

電気通信工事業のスキルアップや資格について

電気通信工事業の技術進化は早いため、情報への高い感度を持って、知識を得ていく必要があります。無線電気通信設備、放送機械設備に関しての知識も必要ですし、データ通信は各会社ごとに採用しているシステムなどが異なります。またサーバーなども異なるために業務の範囲は多岐に渡ります。また昨今のWi-Fi利用の広がりから、Wi-Fi化の工事も増えているため、その周辺知識も必要となります。

資格と言う観点で言いますと、2018年より電気通信施工管理技術検定が新設されました。これまで土木、建築、管工事、電気工事、造園、建設機械の6種類しかありませんでしたが、技術士一人当たりの工事量が増加傾向にあるため、約30年ぶりの新設が決まりました。試験科目としては、学科試験に電気通信工学等が入ること以外は、他の施工管理技術検定と大きな違いはありません。まだ試験日程や受験条件などは未確定のようですが、伸びている工事種別の中での新設資格ということで注目度は高いです。ぜひ受検を検討してみてはいかがでしょう?

電気通信工事業の団体としては、一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)や一般社団法人電気通信協会、一般社団法人情報通信設備協会などがあります。印象としては他の業種よりも協会が多い印象ですが、通信という影響力の大きい範囲を担っているかもしれません。
電気通信事業者協会については、携帯電話の契約数などを定期的に公表しているため、ご覧になった方も少なくないかもしれません。
定期的に各協会では、講習の実施や各種調査・レポートの発刊をしているので、最新の情報を得るために定期的に目を通しておきたいですね。

(参考)
国土交通省 http://www.mlit.go.jp/
一般社団法人電気通信事業者協会 http://tca.or.jp/
一般社団法人電気通信協会 https://www.tta.or.jp/
一般社団法人情報通信設備協会 http://www.itca.or.jp/

電気通信工事業の建設業者を見る