造園工事業とは
そもそも造園工事って?
造園工事とは国土交通省の告示によると、「整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事」と定義されています。
ものすごく平たく言ってしまうと庭の手入れの延長ともとれますが、国立公園や、一般家庭の庭など様々な場所で造園や整地を作業をします。
最近ですと内庭ニーズの高まりに対応して、アパートやマンション等の構内緑化工事や屋上等緑化工事などにも関わります。造園工事に携わる職人さんは、庭師や植木職人、植木屋と呼ばれることもあります。ちなみに造園に関わる言葉は触れることはあまり多くなく、わかりづらい言葉も多いかもしれませんのでここでいくつか触れておきます。
景石とは、主に日本庭園などで風致を整えるために置かれる捨て石を示します。
苑地とは、公園や庭園などになっている土地を示します。
植生とは、植物で被覆されている状態のことを示します。
具体的な造園工事について
具体的な造園工事として、建設許可事務ガイドラインでは、「植栽工事、地被工事、景石工事、地ごしらえ工事、公園設備工事、広場工事、園路工事、水景工事、屋上等緑化工事、緑地育成工事」を例示しています。工事名でもわかる通り、庭を作るだけでなく、公園内の遊歩道や緑道などの園路、公園における噴水や休憩所などの建設工事も行います。
造園工事業の建設業許可を得るためには
造園工事業は建設業法が定める29業種の建設業許可のうちの一つです。
建設業許可で共通とする要件はもちろんですが、造園工事業においても専任技術者が必須になります。
造園工事業の専任技術者として認められる為には、資格または実務経験が必要となります。資格としては管轄する法律により3つの区分に分けられます。建設業法が定める国家資格だと1級・2級それぞれの造園施工管理技士が該当します。また技術士法の技術士試験では、森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」)、森林「林業」・総合技術監理(森林「林業」)、建設・総合技術監理(建設)、建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)の4種類が該当します。職業能力開発促進法の技能検定では「造園」のみが該当します。
造園工事に関わるスキルアップや団体について
造園工事業については、年々登録業者数が減っております。国土交通省の資料によると、2017年3月時点では登録業者数は25,938社であり、2012年と比較すると3割近く減少していることになります。
住環境やオフィス環境の変化や、職人の高齢化、公共事業の削減など要因としては様々あるでしょう。一方で登録業者数が減っているということは、スキルを磨いて残っていかなければいかない市場環境である。とも言えるかと思います。
一般社団法人日本造園建設業協会では、独自の資格として街の街並みを支える街路樹を守り育てる「街路樹剪定士」、植物生育のための土壌環境を整える「植栽基盤診断士」、スペシャリストとしての「登録造園基幹技能者」などの認定を行なっています。
(参考)
国土交通省 http://www.mlit.go.jp/
公益社団法人日本技術士会 https://www.engineer.or.jp/
一般社団法人日本造園建設業協会 http://www.jalc.or.jp/