さく井工事業とは

そもそも「さく井」ってどんなもの?

さく井とは「さくせい」と読み、全て漢字で書いた場合は「鑿井」と描きます。広辞苑によると、意味は「井戸を掘ること」または「掘抜き井戸で特に深い もの」を指します。そのためさく井工事に携わる建設業者さん、職人さんは井戸掘りのプロフェッショナルと言えます。

さく井工事業って?

さく井工事業は主に機械等を用いて穴を開けて、掘削をおこない、井戸またはその工事に伴う揚水設備の設置等を行う工事などを指します。(なお、とび・土工・コンクリート工事のボーリング工事やくい打ち工事とは区別されます。)
さく井工事業に関して、建設業許可事務ガイドラインは、井戸の目的で区分した観測井工事や還元井工事、掘削の目的物で区分した温泉掘削工事や石油掘削工事、天然ガス掘削工事など9つの工事を例示しています。

さく井工事業とは建設業法第3条3項で定める29種類の建設業許可業種の1つです。
さく井工事を行うためには、軽微な建設工事を除き、このさく井工事業の建設業許可が必ず必要となります。なお2017年3月末の国土交通省の調査によると、さく井工事業の許可取得業者数は2,476社で、清掃施設工事業に次いで2番目に少ない業者数となっています。

さく井工事業の建設業許可取得をするには?

さく井工事業の建設業許可取得のためには、経営業務の管理責任者がいることなどの共通要件に加え、営業所ごとに設置が義務付けられる専任技術者が一定の要件を満たしていることが必要となり、その要件は資格取得および実務経験に区分されます。
資格取得については3種類あり、1つ目として技術士法(技術士試験)における上下水道「上水道及び工業用水道」・総合技術監理(上下水道「上水道及び工業用水道」)の合格が挙げられます。 技術士法試験での合格の場合は、所属する企業が一般建設業だけでなく特定建設業の場合も、専任技術者となることができます。
2つ目は職業能力開発促進法(技能検定)の「さく井」の合格です。最後に一般社団法人日本基礎建設協会及び一般社団法人コンクリートパイル建設技術協会が実施する地すべり防止工事試験の合格があります。

実務経験の場合はさく井工事の実務経験が10年以上あれば要件を満たしますが、土木工学、鉱山学、機械工学又は衛生工学に関する学科修了した者については実務経験の要件が緩和されます。緩和の対象は土木工学、鉱山学、機械工学又は衛生工学に関する学科修了した者であり、高校・専門学校卒業生は実務経験5年以上に、大学卒業後3年以上または専門士か高度専門士を称する者は実務経験3年以上に短縮されます。

さく井工事業に関する資格や協会はあるの?

さく井工事業に関する資格に関しては、国家資格である技能検定として「さく井技能士」があります。
さく井技能士については、工事手法によりパーカッション式とロータリー式の2つに区分されており、それぞれ1級と2級があります。いずれも判断等試験と計画立案等作業試験の2つの筆記試験を受検し合格することで、さく井技能士としての認定を得ることができます。

認定後については任意で一般社団法人全国さく井協会に登録さく井技能士として登録することが可能です。2017年8月現在、全国でのべ1,657名のさく井技能士が登録をしています。
また全国さく井協会では、登録さく井技能士向けの講習会を通してのスキルパップ支援や、さく井工事施工指針の制定や東日本大震災による井戸の被害調査など、さく井の品質を向上するための施策を行なっています。

(参考)
国土交通省 http://www.mlit.go.jp/
中央職業能力開発協会 http://www.javada.or.jp/
一般社団法人全国さく井協会 http://www.sakusei.or.jp/

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