建具工事業とは

そもそも建具工事って?

建具工事のことを説明する前に、まずは「建具」とは何かを説明しなければなりません。
大辞林によると、「開口部に設けられた障子やふすま、窓、ドア、戸などの可動部分と、それを支える枠(建具枠や鴨居、敷居)などの総称」とあります。つまり空間を仕切るための可動部分含めた枠と考えてもらえばよいでしょう。
建具工事とはその建具を建築現場で取り付ける工事となります。建設業許可事務ガイドラインでは、具体的な工事として、「金属製建具取取付け工事、サッシ取付け工事、金属製カーテンウォール取付け工事、シャッター取付け工事、自動ドアー取付け工事、木製建具取付け工事、ふすま工事」を例示しています。
シャッターや自動ドアについては、確かになるほど、建具だなと思われる方は多いのではないでしょうか。その他には金属製のカーテンウォールの取付け工事なども、建具工事に含まれます。またただ取り付けるだけではなく、防犯性能や断熱性能、省エネ性能なども考慮して、最適な建具の選定を行うのも建具工事の要素でもあります。

建具工事業における建設業許可取得について

建具工事業は、建設業法が定める建設業許可29業種のうちの一つです。
建具の取付けというと単純な作業に聞こえるかもしれませんが、前述の通り場所も取り付けるものも様々であり、建設業許可取得業者数は26,986社と年々増加しています。増加率は対前年も対2000年からの伸び率も建設業許可全体を上回っており、需要は大きいものと考えられます。

建具工事業で建設業許可を取得するためには、共通的な要件を満たすことに加え、建具工事業の専任技術者の設置が必要です。専任技術者になるためには、資格または実務経験が必要です。ここでは特に資格について解説したいと思います。
建設業法が定める国家資格としては、1級・2級それぞれの建築施工管理技士(2級は仕上げ)が挙げられます。また職業能力開発促進法が定める技能検定においては、建具製作・木工(選択科目「建具製作作成」)・カーテンウォール施工・サッシ施工の修了が該当します。
このうち実務経験を考慮しなくても、特定建設業の専任技術者になれるのは、1級建築施工管理技士のみとなります。

建具工事に関するスキルアップと協会について

建具工事に従事する職人さんは、建具屋さんやサッシ屋さんと呼ばれることもあります。建具工事に従事する上でのスキルアップとし、資格という観点では、前述の建築施工管理技士と技能検定が該当します。

また建具と言っても、それぞれ取付け方も物自体も異なるため、それぞれ協会が設立されていることも特徴です。例えば一般社団法人日本シャッター・ドア協会では、建具工事推奨納まり図などを公開し、品質向上の啓蒙を行なっています。
またシャッターは防火面にも関わるので、防火設備技術者の案内なども行なっています。
建具工事に従事する職人さんは、耐火建築物や防火地域に関する知識も持っている必要がありそうですね。
また一般社団法人日本サッシ協会では、防犯性能の高い部品の紹介や、一般家庭での防犯設計についてのハンドブックを公開し、防犯意識の啓蒙にも勤めています。建具工事の業者数が増えている市場環境なので、建具の先の価値である防犯やエコなど暮らしの面までフォローできる業者さんを目指していくことがさらに重要になっていくでしょう。

(参考)
国土交通省 http://www.mlit.go.jp/
一般社団法人日本サッシ協会 http://www.jsma.or.jp/
一般社団法人日本シャッター・ドア協会 http://www.jsd-a.or.jp/

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