水道施設工事業とは

そもそも水道施設工事って?

水道施設工事については国土交通省の告示で、「上水道、工業用水道等のための取水、浄水、排水等の施設を築造する工事又は公共下水道もしくは流域下水道の処理設備を設置する工事」と定義されています。
よく「水道屋さん」と呼ばれる水のトラブルに対応してくれる業者さんとは異なり、施設の築造や処理設備の設置をしてくれるというのが主な仕事となりますので注意が必要です。ですので余談にはなりますが、CMでおなじみの株式会社クラシアンが日常に対応するような、排水口の詰まりなどの水漏れトラブルなどは水道施設工事にはあたりません。(株式会社クラシアンはその他給水施設工事なども対応するため、後述する水道施設工事業の取得業者ではあります。)各家庭や建築物内での配管などに関する工事は、厳密には管工事に該当します。
水道施設工事については、まずは「水道施設」という部分に対応した工事ということを押さえておきましょう。

建設業許可事務ガイドラインは、水道施設工事業の工事について、取水施設工事、浄水施設工事、配水施設工事、下水処理設備工事の4つを例示しております。
施設と設備に関しては順序を追って、雨水などを収集して(取水施設)、その水をきれいにして(浄水施設)、各家庭に振り分けて(配水施設)、利用された水を処理する(下水処理設備)と理解するとわかりやすいのではないでしょうか。

水道施設工事業の建設業許可を取得する為には?

水道施設工事業は建設業法で定められた建設業許可29業種のうちの1つです。
2017年3月末時点での水道施設工事業の許可業者数は82,148社で6番目に多い業種となります。
工事の例示だけ見ると意外に多い様に見えますが、上下水道は街中を網の目の様に走っているため、それだけの業者数が必要ということなのでしょう。

水道施設工事業の建設業許可を取得するためには、共通要件以外に水道施設工事業の専任技術者の設置が必要となります。

水道施設工事業の専任技術者となるためには、資格または実務経験が必要となります。ここでは資格に焦点を当てて、説明をしていきます。
建設業法が定める国家資格としては、1級・2級の土木施工管理技士(2級の場合は土木)が該当します。技術士法が定める技術士試験では、上下水道・総合技術監理 (上下水道)、上下水道 「上水道及び工業用水道」・総合技術監理 (上下水道 「上水道及び工業用水道」)、衛生工学 「水質管理」・総合技術監理 (衛生工学 「水質管理」)、衛生工学 「廃棄物管理」・総合技術監理 (衛生工学 「廃棄物管理」)の4つが該当します。このうち2級土木施工管理技士以外は全て、特定建設業の専任技術者になることができます。

水道施設工事業に関する資格や協会はあるの?

水道施設工事に関わる職人さんのスキルアップとして、ここでは2つの資格を紹介したいと思います。
1つは「排水設備工事責任技術者」、もう1つは「給水装置工事主任技術者」です。
まず排水設備工事責任技術者は、所属する企業が各自治体から排水設備の工事の許可(指定工事店となる)を受けるために、必ず1名以上の専属雇用が必要とされております。この資格を保有していることで、排水設備の工事について一定水準以上の技術者とみなされることになります。
また給水装置工事主任技術者試験は厚生労働省が認定する国家資格であり、水道事業者から指定給水装置工事事業者の指定を受ける際に必要となります。また水道施設については民間委託が進んでおり「水道施設管理技士」の自治体から取得を要請されることもあるようです。

水道施設工事業に関する協会として、公益社団法人日本水道協会や一般社団法人日本水道運営管理協会があり、この2つの協会はHP上でのデータ公表や講習会の開催を行なっています。定期的なチェックをすることで、スキルアップに繋がる情報を得ていきたいですね。

(参考)
国土交通省 http://www.mlit.go.jp/
公益社団法人日本水道協会 http://www.jwwa.or.jp/
一般社団法人日本水道運営管理協会 http://www.suikankyou.jp/

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