消防施設工事業とは

そもそも消防施設工事ってどんなもの?

「消防施設工事」といわれてもなかなかピンと来ない方も多いかと思います。
施設などと聞くと「消防署の建設」などがイメージできるかもしれませんね。筆者はそうでした。しかし、このイメージは間違っております。
国土交通省が発行している建設業許可事務ガイドラインでは「火災警報設備、消化設備、避難設備若しくは消化活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取り付ける工事」とされています。
要するに火災警報装置や避難設備を建築物に設置する工事のようですね。

建設業許可事務ガイドラインは具体的な工事として、「屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧・泡・不燃ガス・蒸発生液体又は粉末による消化設備工事、屋外消火栓設置工事、動力消防ポンプ工事、火災報知設置工事、漏電火災警報機設置工事、非常警告設置工事、金属製避難ハシゴ、救助袋、緩降機、避難橋又は排煙設備の設置工事」とされています。
いずれも火災時に必要な設備の設置ということがわかるかと思います。

消防施設工事業って?

消防施設工事の内容について理解ができましたので、次は法的な視点で見ていくことにしましょう。
「消防施設工事業」とは建設業第3条3項で定められている29種類の建設業許可業種の1つです。平成29年3月末の国土交通省の調査によると、消防施設工事業の許可取得企業数は14,993社とされております。
建設業許可29業種のうち、5番目に少ない業者数となっていますおり、また登録業者数についても緩やかな減少傾向にあります。

消防施設工事業の建設業許可を取るためには?

消防施設工事業の建設業許可取得のためには、経営業務の管理責任者がいることなどの共通要件に加え、建設業を営む営業所ごとに「専任技術者」を配置していることが要件とされています。
消防施設工事業の「専任技術者」として認められるためには、甲種消防設備士か乙種消防設備士の資格が必要になります。
詳しい説明は後ほど述べますが、甲種は取得した類の消防設備を工事・整備・点検できるのに対して、乙種は取得した類の消防設備を整備・点検の2つが行える資格になります。

消防設備工事に関する資格や協会はあるの?

先ほど軽く触れましたが、消防施設工事に関する資格として、甲種消防設備士と乙種消防設備士が存在します。
甲種は取得した類の消防設備を工事・整備・点検できる資格、乙種は取得した類の消防設備を整備・点検の2つが行える資格でしたね。
消防設備資格には特類と第1〜7類までの種類が存在します。これらは工事、整備、点検される対象設備の種類によって分類されています。また、甲種は特類と第1~5類まで、乙種は第1~7種までが対象とされております。甲種、乙種と分かれているのは危険物取扱責任者と一緒ですね。

また消防施設工事に関する協会として消防施設工事協会が存在します。
活動内容としては、機関誌の発行、講演会の実施、国土交通省との意見交換会などを行い、消防設備工事業の発展向上を目指した活動を行っています。
消防施設工事を行うにあたっては、建築基準法で定める耐火建築物や防火地域などの知識も必要になりますので、消防施設工事協会の活動により、消防設備工事業に携わる事業者さんの理解の促進につながっています。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

(参考)
国土交通省 http://www.mlit.go.jp/
消防施設工事協会 http://www.sskk.ecnet.jp/
中央職業能力開発協会 http://www.javada.or.jp/
一般社団法人消防試験研究センター https://www.shoubo-shiken.or.jp/

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