石工事業とは?

石工事業とは、建設業許可29業種の中の「専門業種であり、石材(石材に類似のコンクリートブロック及び擬石を含む)の加工、または積方により工作物を築造し、または工作物に石材を取り付ける工事」と定義されています。
石工事業に従事する職人さんは、石屋さんや石切り、石工、石大工などとも呼ばれています。日本における石工事は、古墳の石室や神籠石の精工な仕上げから、古墳時代から行われていたと考えられています。非常に歴史が古いですね。
しかし現在は、一般的には建築工事と同時に石工事業の許可を取得する傾向があります。単独で許可を取得するのは、主に墓石の建立や石鳥居の設置などを行う墓石業者さんが多くなっています。

そもそも石工事って?

石工事業の工事は非常にシンプルであり、建設業許可事務ガイドラインの例示では、石積み(張り)工事、コンクリートブロック積み(張り)工事の2つだけとなります。積んだり張ったりする材料の違いで区分されているように思えますが、材料の違いが使われる用途の違いにも影響するため、実は工事の内容自体も異なります。

石工事業の工事は他の業種と混同されがちな部分を含みますが、以下のように区分されています。「とび・土工工事業」における「コンクリートブロック据え付け工事」は、根固めブロックや消波ブロックの据え付けなど、土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据え付けを行う工事、プレキャストコンクリートの柱・梁等の部材の設置工事などが該当します。
石工事業においての「コンクリートブロック積み(張り)工事」は、建築物の内外装として、擬石等をはり付ける工事や法面処理、または擁壁としてコンクリートブロックを積み、またははり付ける工事となります。
またタイル・れんが・ブロック工事業における「コンクリートブロック積み(張り)工事」は、コンクリートブロックによる建築物を建設する工事などが該当します。
(エクステリア工事としてこれを行う場合を含む)つまり基礎部分や躯体など規模が大きいものではなく、内外装に関わるものが石工事業におけるコンクリート関連の工事と理解してください。

石工事業の建築業許可を取得するには?

石工事業の建設業許可を取得するには、経営業務の管理責任者等の共通要件に加え、石工事業における専任技術者が必要となります。
石工事業の専任技術者になるには、石工事業の専任技術者の要件とされている資格を持っている人、指定学科を卒業し実務経験のある人(学歴によって実務経験の年数が異なる)、石工事の実務経験が10年以上ある人のいずれかに該当しなければなりません。

石工事業の専任技術者の要件とされている資格は、1級土木施工管理技士・2級土木施工管理技士(土木)・1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士(仕上げ)。または、技能士資格のブロック建築・ブロック建築工・コンクリート積みブロック施工や石工・石材施工・石積みなどです。

石工事業に関する資格や協会って?

石工事業に関する国家資格に、職業能力開発促進法に基づき実施されている技能検定の石材施工技能士があります。
石材施工技能士は、1級と2級があり、それぞれに学科試験と実技試験の合格者が技能士の資格を取得できます。受験資格は、1級石材施工技能士の場合、7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験が必要です。(学歴によって実務経験年数が異なります)
2級石材施工技能士は、実務経験が2年以上必要ですが、学歴によっては実務経験が不問になります。

石工事業に関する協会は、一般社団法人日本石材産業協会があります。
日本石材産業協会は、墓石の小売りを中心とする「墓石部会」・採石業者などで組織する「採石・原石部会」・加工メーカーを中心とする「加工部会」・建築石材関係の「建築・環境部会」・輸入商品や問屋を中心とする「輸入・卸売り部会」・墓装品やIT、運送や出版といった「関連部会」の6つの部会から成り立ち、全国の石材店・石材関連業者で組織された石材業界最大の団体です。日本石材産業協会は、公益と業益の両立を目指して活動しています。

(参考)
国土交通省 http://www.mlit.go.jp/
中央職業能力開発協会 http://www.javada.or.jp/
一般社団法人日本石材産業協会 http://www.japan-stone.org/

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