電気工事業とは?

そもそも電気工事ってどんな工事?

電気工事とは国土交通省の告示によると、「発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事」とされています。具体的には電柱の送配電線や建物に引かれる内線の配線工事などをあげることができます。
また近年では、LED照明を設置するLED工事や太陽光発電のために太陽光パネルを取り付ける工事、IHクッキングヒーターやエコキュートのようなオール電化設備を導入する工事なども電気工事として行われています。

電気工事業の建設業許可を取得するには?

電気工事業とは、建設業法という法律の第3条3項に基づいて決められている、国土交通大臣や都道府県知事から建設業許可を取らなければ工事ができない29業種のうちの1つです。

電気工事業の建設業許可を取得する要件としては、経営業務の管理責任者の設置義務などの共通要件の他に、専任技術者の要件を満たす者がいなければなりません。
電気工事業における専任技術者になるためには、1級(または2級)電気工事施工管理技士、第1種(または第2種)電気工事士(ただし資格取得後3年実務経験が必要)、1種(または2種、3種)電気主任技術者(ただし資格取得後5年実務経験が必要)、技術士(建設・総合技術監理、建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理、電気電子・総合技術監理)、建築設備士(ただし資格取得後1年実務経験が必要)、1級計装士(ただし資格取得後1年実務経験が必要)のどれかの要件を満たしている必要があります。
特定建設業許可の場合は、1級電気工事施工管理技士か、上記に述べたいずれかの技術士であることが専任技術者の要件となります。

電気工事に関わる資格の概要

電気工事に携わる事業者や職人さんについては、「電気屋さん」と大きな枠で括られることもあります。(家電販売店の「電器」ではない。)と一口に言っても、電気工事に関わる資格は様々です。ここではいくつかの資格について解説していきたいと思います。

電気工事士は、電気工作物の工事を実地で行うことができる資格のことであり、第一種電気工事士と第二種電気工事士に分けられます。第一種電気工事士は、500kw未満の自家用電気工作物(工場やビル、高圧受電の店舗などの事業用電気工作物のこと)や一般用電気工作物(一般家屋や小規模店舗の電気設備のこと)の工事に従事することができます。
一方、第二種電気工事士は一般用電気工作物の工事にしか従事できません。第一種電気工事士とは異なり、第二種電気工事士が従事できる工事は小規模の工事のみということになります。

「電検」または「電検三種」は、電気工事に関わる職種の一つである電気主任技術者の略称です。「電検」という略称は、電気主任技術者になるのに必要な資格である「電気主任技術者試験」に由来しています。
電検という仕事は、事業用電気工作物の工事・維持・運用の保安監督をします。要するに、漏電や感電など電気が関わる事故が起こらないように管理を行う仕事です。第一種、第二種、第三種の3種類があり、番号が小さいほど扱える電気工作物の規模が大きくなります。具体的には、第三種は5万V未満の電気工作物、第二種は17万V未満の電気工作物、第一種は全ての電気工作物を扱えます。

電気工事施工管理技士は、電気工事の工程・品質・安全の管理・監督を仕事とし、一級電気工事施工管理技士と二級電気工事施工管理技士の2種類があります。一級二級共に、現場ごとに置く主任技術者や一般建設業の営業所ごとに置く専任技術者になることは可能ですが、特定建設業の営業所ごとに置く専任技術者や、監理技術者になれる資格を持っているのは第一種だけです。

電気工事の資格取得について

電気工事士になるには電気工事士試験に合格し、かつ一定期間以上の実務経験を積まなければなりません。
第一種電気工事士は、第一種電気工事士試験に合格し、かつ電気工事の実務経験を5年以上積む必要があります。
ただし、大学・短大・専門学校で「電気理論」「電気計測」「電気機器」「電気材料」「送配電」「電気法規」「製図」の課程を修めて卒業していれば、必要な実務経験が3年と短くなります。第二種工事士になるためには、第二種電気工事試験に合格するか、経済産業大臣が認定している第二種電気工事士養成施設で決められた単位を修めて卒業する必要があります。これらの条件を満たした後に、電気工事士免状を都道府県知事に申請して交付されて初めて、電気工事士を名乗ることができます。

電気主任技術者になるには「電検」に合格する必要があります。第一種・第二種・第三種で試験は分かれており、番号が小さいほど、つまり扱える電気工作物の規模が大きい資格ほど合格難易度は高くなります。
電気工事施工管理技士の国家資格を取るために受ける必要がある施工管理技術検定試験は、大卒・短大または高専・高卒・その他で受験資格の条件が異なります。大卒の場合、一級を受けるためには実務経験卒後4年半以上(指定学科校の場合卒後3年以上)、二級を受けるためには実務経験卒後1年半以上(指定学科校は卒後1年以上)が必要です。短大・高専の場合、一級は実務経験卒後7年半以上(指定学科校は卒後5年以上)、二級は卒後3年以上(指定学科校は卒後2年以上)必要です。高卒の場合、一級は卒後11年半以上(指定学科校は卒後10年以上)、二級は卒後4年半以上(指定学科は卒後3年以上)必要です。その他の場合、一級は卒後15年以上、二級は卒後8年以上必要です。

(参考)
国土交通省 http://www.mlit.go.jp/
経済産業省 http://www.meti.go.jp/
一般財団法人建設業振興基金 http://www.kensetsu-kikin.or.jp/
一般財団法人電気技術者試験センター http://www.shiken.or.jp/

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