父から受け継いだ造船会社を、これからは全国展開へ|株式会社北園工業 北薗一文社長
業種違いの造船業を父から受け継いだ
−−御社の事業内容を教えてください。
当社はもともと造船所の中の仕事をやっていたので、造船所の増設とか、鍛冶工事をおこなっています。他にプラントの配管や足場、最近だと除染工事や解体とかもやっていますね。
−−会社名を拝見したところ、ご家族でやられている会社なのですか?
私の父親が立ち上げた会社なんです。昭和62年に設立していますが、もともとは個人事業主の頃からやっていて、三重県のJMU(ジャパン マリンユナイテッド)の中で仕事を始めたんです。
父が代表をしていましたが、高齢ということと、新しくプラントに進出し、いろいろ地方に飛ばなくちゃいけないことが増えてきたので、代表を交代しました。
−−北薗さんは長年、御社で働かれているのですか?
僕はずっと横浜の方にいて、父親とは別に育っているんです。父親は三重県で30年くらい事業をやっていたんですけど、僕は20歳くらいから横浜で建物の解体を25年くらい個人事業主でやっていました。
僕は壊す方、父の会社は創る方で職種が全然違いますし、全く畑違いなんですが、三重県にきてだいたい5年くらい経ちましたね。
−−どの部分が一番苦労されましたか?
今まで個人事業主として、関東圏内の解体をやっていたのでパソコン業務はしていなかったんです。ましてや経営業とか毎日がわからないことだらけです。特に書類関係が大変でしたね。労務関係の書類とか、役所関係とか、労災保険とか。
今も慣れない部分はありますが、周りの事務員さんなどに助けられています。
技量があれば、協力業者として付き合いたい
−−解体工事の対応エリアを教えてください
解体ですと、福島の第一原発近辺の建屋の解体を、除染工事が走り出しの頃からやり始めました。現在10年くらい経過しているので、草が生えきっていたりして、そこの除染や解体の仕事を今でもいただいてますが、初めはやはり怖いものがありましたね。
新型コロナウイルスの影響で、今年に入ってから打ち合わせはしているんですが、現場に行けてないんです。これまでだと月に4回ほど現場に行き対応していました。この間は除染した土を焼却して、セシウムを無害化する焼却炉の配管もやりました。
−−御社の職人さんは何名くらいいるんですか?
協力業者含めて、本当に発注が多い時は200人くらいにお願いしています。それこそ一人親方の方もいれば法人の方もいますし、ピンからきりまでいますね。
福島県のような地方の案件を依頼することもあるので、腕が良かったら直接連絡を取れるようにしています。
最近は高齢ということで断られちゃう人もいると思うんですけど、うちは腕が良かったら、多少年齢がいっていても、経験があればお願いしたりします。
年配の方って元気な方は本当に元気なので、年齢かかわらず、いい仕事ができれば歓迎しています。
−−同業他社さんとの違いも、職人の多さにありますか?
決められた人数、例えば「明日に10人」とか対応を頼まれた時は、即日対応できます。協力業者が多いのもありますが、フリーランスの方からも話が聞けるので、単価面、条件面、諸々の交渉はしやすく対応力といったところは当社の強みですね。
−−職人経験もある北薗社長のお仕事のこだわりを教えてください
毎日一生懸命やるしかないですね。取引先の打ち合わせや、下請けの管理とか、職人の配置とか。頭をフル回転しなくちゃいけないですね。
職人時代はそんなに話すことがなかったんですよ。人前に出ることもないので、その辺は意識して人前で話すようにしていますし、人とは交流を持つようにしていますね。
個人でやっていると、依頼があって現場に行く、この繰り返しなんです。今は営業から交渉とか人前で話すことが多くなったので、意識することもこだわりですね。
建設業界の電子契約書を導入して、簡略に
−−御社が課題と思っていることを教えてください
僕自身パソコン関係の知識がなかったんですけど、業界的にも古いやり方が多いと感じていますね。
特に書類関係です。世の中的にペーパーレスの時代になっているので、ハンコを押してある契約書を持って現地に行くことがどんどん減っていくと思っているんです。
建設業界全体をみてもアナログ体質が根強く残っているので、契約書や請求書関係は電子で対応できるようにしています。
パソコン関係って時代の流れが早いと感じているので、自ら取り入れていかないと置いていかれると感じますね。といってもまだまだ契約書とか請求書とかは紙で対応してほしいって、企業さんが多いので、電子書類の存在自体知らないところもあります。
なので電子書類でも法的効力があるんですよっていうのを、紙で案内しています(笑)自分たちの会社から取り入れて、周りに広めたいところが今の課題ですね。
−−将来の展望に関して教えてください
今はいろんな工事を幅広く対応しているんですが、正直父が始めた造船所の仕事の発注が今全くないんです。海外に仕事を取られているので、日本全体が受注自体落ち込んでいるんです。
なので今当社はプラント事業を広めたいと思っています。プラントで全国を回れたらいいなと感じていて、ゆくゆくは事業も拡大して、支店を他に設けたいと思っています。
昔は福島県の郡山市に支店があったんです。理由があって撤退したんですが、同じところもしくは、東北に支店を考えています。
さいごに
技量のある職人さんなら年齢問わず歓迎していますと、お話を聞かせていただいた株式会社北園工業 北薗社長。様々なご経験をされており、大手企業様の案件も多いそうなので、ご興味ある方は下記のページよりご連絡をお願いいたします。