豊富な実績から高いクオリティを!SNSも活用し次の世代へ繋ぐ

久下建築の久下信明代表に、お仕事で大切にされていることや会社の強みについてお伺いしました。
2023/10/27

多くの経験を積み、25歳で独立へ

ーどのようなきっかけでこの業界に携わるようになったのですか?


父が奈良県で大工の仕事をしていたため、この業界は幼いころから身近な存在でした。

私が幼い頃は現場を自由に出入りすることができたので、よく作業場を覗きにいっていましたね。


将来について考える中で、父から「この業界は大変だからやめてほしい」と反対されたため、中学校卒業後は自動車工業学科へ進学しました。卒業後は大手自動車メーカーの整備士として就職したのですが、自分にはあまり合いませんでした。働き始めてから半年程で胃潰瘍になってしまい、転職して大工として働くことにしました。


当時は「自分で見て覚えろ」という教育方法だったため、様々な現場へ行き仕事を覚えました。

最初の半年間は、父親以外の親方のもとで技術取得に専念していましたよ。


多くの現場で「見て覚え、失敗して覚え、そして怒られて覚える」といったように経験を積んできました。

当時を振り返ると、技術面のみではなく精神面でもかなり鍛えていただいたと思います。


この仕事を初めて3年目の頃、大手工務店の展示会の運営に参加しました。

当時は建売住宅の展示はほとんどなかったのですが、住宅2階部分の工事を全て任せていただきました。

完成に至るまでの段取りや設計は大変でしたが、無事やり遂げることができましたよ。

その経験が自信にもつながり、25歳の時に独立しました。


スピードとクオリティの両立を強みに

ー久下建築様の強みを教えてください。


私たちの強みは、スピードとクオリティの両立です。


まずは展示会で確実な実績をつくり、お客様から信頼していただきます。そして全ての現場で真摯に対応し、高いクオリティで納品するため、継続してご依頼いただくことが多いですね。


展示会は久下建築としてのスタートであるため、大切にしています。

まだ建売も少ない時代から、1歩ずつ着実に実績を積み重ねてきました。


難しい案件でもしっかり対応し、今までクレームをいただいたことはありません。

中でも和室の建築工事は難しかったのですが、高いクオリティで納品してお客様から喜んでいただきましたよ。


次の世代を育てることに注力

ーどのような瞬間にやりがいを感じますか?


最近は次の世代の方を育てることにやりがいを感じています。その一環として「かんな削り体験会」などお子様向けのイベント企画も行なったのですが、会場を拡大する程の人気ぶりでしたよ。

その他にはアパレルとのコラボを行なったことがあり、「将来は大工さんになりたい!」という方が増えることを期待しています。通常の仕事と並行でイベント企画をしているため大変ですが、イベントを通して知り合った方々と一緒にお仕事をすることもあり、良いことが沢山あります。


最初にイベントに参加した際は大勢の中の一人でしたが、今は中心の立場となって企画から行なっています。

同じ志を持つ方々と力を合わせて、次の世代のために若手の育成に注力していきたいです。


人との出会いとチャレンジすることを大切に

ーお仕事をするうえで、大切にしてることはありますか?


「日々、実践することに真の学びがある」という考え方を大切にしています。

そして、様々な実践の機会を得るためにも、人との出会いを大切にしていますね。

当然のことですが、相手に対する気遣いなどができなければ、良い出会いの機会を逃してしまいます。
「失敗は成功のもと」と言いますが、そこに辿り着くまでにも沢山の出会いがあるはずです。


他にも、新しいことにどんどんチャレンジすることを大切にしています。

Facebookは約10年前、Instagramは約8年前から活用しており、仕事の様子をSNSに投稿したところ仕事ぶりを評価していただきました。埼玉県で開催された大工イベントでは、SNSを通じて知り合った方々と集結しましたよ。


最近は大工の人数が不足しているので、「大工になりたい」という方が増えるような時代を創っていきたいと考えています。全国の大工さんと一緒に、様々なイベントの企画を進めていますよ。


昔ながらの伝統や自分の技術を、次の世代へ

ー将来の展望を教えてください。


私が取得した技術を、次の世代に伝えていきたいですね。その日の現場がただ終わればいいのではなく、それぞれの職人さんの得意な面を見極めて、才能を伸ばしてあげられるようにと意識しています。


私自身が失敗して学んだことや昔ながらの伝統など、多くのことを途絶えさせることなく若手の方々へ伝えていきたいです。昔のことも決して無駄な自慢話ではなく、次の世代へと繋がる大切なことだと確信していますよ。