確かな技術力と積み上げた経験。これからも信頼できる仲間と共に| O.T.B Craft 大坪代表
「仕上げ」に楽しさを感じ、積み重ねた幅広い経験
ーこの業界に携わることになったきっかけを教えてください。
元々はコンクリート土間工事のアルバイトをする予定でした。しかし、まだ16〜17歳だったので、18歳まではアルバイトをさせられないとのことでした。
そこで、左官屋さんを紹介してもらうことになり、18歳まで仕事をしたらアルバイトに戻るつもりだったのですが、結局戻ることはなく、17〜18年間、左官工事に携わっています。
ー実際に左官屋を始めたときに、大変だなと感じることはありましたか?
職人として初めて働いたのが左官屋で、材料が重いこともあり、大変は大変でしたが、仕上げていくことの面白さは感じていました。
また「職人とはこういう仕事なんだな」と捉えていたので、そこまでキツく感じることはなかったように思います。
初めの頃は基本的に野丁場での仕事をしていて、そこで幅広い経験をたくさん積ませてもらいました。徐々に、町場でも仕事を任せてもらえるようになり、珪藻土なども扱っていくうちに、表に出る仕事のほうが楽しいと感じることも増えました。
現場に満足せず、新たな技術も習得
ー独立をされた時期やきっかけを教えてください。
独立を考え始めたきっかけは、28〜29歳の頃です。
しかし、左官だけで独立するのではなく、左官の閑散期に多くの仕事が入る内装工事の技術も習得すれば、左官が忙しいときには左官をメインにし、内装が忙しいときは内装をメインにできるなと考え、前から誘われていたダイノックシートを扱える親方の元に行くことになります。
技術や経験をしっかり積んだ上で稼ぎたいという思いがあったので、ダイノックも5年ほど修行をしてから独立を決断しました。
ーお仕事をする際に大切にしていることはありますか?
仕事の腕はもちろん大切にしています。今まで、1回呼ばれてそれっきりお仕事が来ないお相手はいないので、ある程度の評価はしてもらっているのかなと感じています。
また、仕事の腕だけでなく、仲間との繋がりも意識していますね。自分が忙しい時期は同じように仲間も忙しくしているので、仲間が困っていることがあれば、無理して現場に入ることもあります。
仲間との信頼関係も大切に
ー職人さんや元請け企業とはどのような関係性を築いていますか?
元請け企業に対しても職人さんに対しても、関係性を大切にすることを心がけています。特に気をつけているのが、職人さんへの報酬の支払いです。
元請け企業からは、多少金額が釣り合わなくても仕事量や信頼関係を考慮して仕事をお受けすることもあるのですが、職人さんに対してはきちんと対価を支払うようにしています。
稼ぎを得たい方が多く、その気持ちは痛いほど分かるので、自分が呼んだ信頼できる職人さんに対しては、自分の利益が減ってでも対価を支払うように心がけています。
そういうことも1つの要因だと思いますが、業務である程度の人数が必要になった際には、左官とダイノックのいずれにおいても必要な人数が集まってくれるので、より大きな仕事の受注にもつながっているのだと感じているところです。
ー将来の夢があれば教えていただけますか?
今はまだ会社ではないので、数年後には株式会社化して、左官班、ダイノック班のようなものを作りたいと考えています。
多くの職人さんは、「一人工〇〇円」という報酬になっていることが多いと思いますが、安定した稼ぎを得るほうがいいという職人さんの声をよくもらいますからね。
株式会社化すれば、そうした職人さんに安定して稼いでもらえる環境を作れると思うので、実現できたらいいなと考えています。
ープライベートではどのように息抜きをされていますか?
独立してからなかなか時間は確保しにくくなっていますが、船に乗って釣りによく行きます。釣るのも楽しいし、それを美味しく食べるのにも楽しさを感じます。
職人仲間で船を仕立てて釣りに行くこともあるので、コミュニケーションを深めることにもつながっています。